ニュージーランドの馬具屋さんて日本とどう違うの?

馬具屋のサジタリアスはニュージーランドという日本から飛行機で約11時間離れた島国にあります。

オーストラリア大陸の右下、南極の近くに位置するニュージーランドは日本の70%の広さに約470万人(日本の人口の37%-静岡県と秋田県の人口に匹敵)が住んでいる自然豊かな国です。

月一度以上騎乗する日本の乗馬人口は総人口1億2700万人の約0.2%強の約30万人とのことですが、ニュージーランドでは子供の3%、大人の5%にあたる人々が乗馬を楽しんでいます。

馬の数も日本の倍近い12万頭が飼育され、その3分2にあたる8万頭が乗馬用の馬として活躍しています。

さて、そんな乗馬が盛んなニュージーランドにある馬具屋さんは日本とはどう違うのでしょうか?
私が感じた日本の馬具屋との4つの違いをご紹介いたします。

1.馬具屋だけど馬具屋じゃない?

馬具屋のメインは馬の餌だった。

アメリカ乗馬用品店の餌売り場

ニュージーランドの馬具屋では3分の1ほどのスペースに必ず馬の餌が積まれています。
馬の餌って嵩高く大きいのでどうしても場所をとってしまうからかもしれませんが、表は馬具屋でも横から見ると車を横付けできる飼料屋さんになっているお店が多いです。

乗馬というと日本では乗馬クラブに行ってクラブ馬を借りて乗るのが一般的ですが、ニュージーランドでは人口密度が高い首都のウェリントンや大都市のオークランドには馬を貸してくれる日本のような乗馬クラブが数カ所ありますが、それは本当に稀で「乗馬=自分の馬に乗る」が基本なので馬の餌を売っている馬具屋は不可欠の存在です。

大都市以外では約1万坪以上の敷地を持つ家が多く、広い庭に馬や羊、鶏などをペットとして飼っています。
馬1頭あたり最低でも約1500坪以上が必要といわれる広い庭を持たない人は週単位で貸し出されている貸しパドック(放牧地)で馬を飼います。
馬以外の家畜の餌はDIYショップなどでも買えますが、馬の餌だけは何故か馬具屋さんでしか見かけたことがないです。

ほとんどの人は小学生の頃から地元のポニークラブに入り、乗馬を始めます。
ニュージーランドの各町には必ずポニークラブがあると言ってもいいくらい、社団法人NZPCAニュージーランド・ポニークラブの登録数でみると小さなクラブを含むと合計319ヶ所あるそうです。

ポニークラブでは、会員の馬が放牧されています。
馬を持っていない会員も事情があって乗れない会員さんの馬を期間限定で借りたり、馬の運動不足解消の為にクラブ内の練習時に使わせてもらうようです。
ポニークラブでは17歳までの子供がクラブ主催の練習会や競技会に参加します。
ニュージーランドのポニークラブは全てチャリティー、土地は市町村から無償で借り、経営は会費と会員のボランティア活動で成り立ちます。

オーナーは馬が食べる放牧地に生えている草の量や質をチェックしながら不足しているようなら馬具屋で調達した餌を与えます。
ニュージーランドの馬具屋には虫下しや傷薬、ビタミン剤など健康食品が揃い、馬のことならなんでも揃う専門ショップの馬具屋は馬のオーナー達の頼りなるアドバイザーです。

日本からニュージーランドへ旅行し馬具屋訪問をご希望される方は必ずレンタカーをご手配くださいね
訪れる地方の馬具屋情報をご希望の方はサジタリアスへお気軽にお問い合わせください。

 

2.馬具屋がすぐには見つからない

多くの馬具屋は町外れにある

日本の馬具屋さんは交通の便の良い街中にありますよね。
ニュージーランドの馬具屋はサドラリーと呼ばれ、オークランド中心にある1軒の馬具屋を除き街中ではなく郊外の幹線道路沿いに馬具屋さんがあります。

ニュージーランドは日本のように公共交通機関が発展していないので、どこに行くにも車での移動が基本。
16歳半になれば夜間や同乗者に対する条件がつきますが、一人で車を運転できる免許が取れます。

自分の家の庭で馬を買えない人は他の場所に貸しパドックを借りて馬を飼います。
毎日通い、水や草が足りているかチェックし、パドックや近所の道で散策したり乗れない時は調馬策で運動させたりします。
時には自家用車の後ろにつけた牽引の馬運車(ガソリンスタンドで借りれます!)で出張コーチを呼んで貸アリーナでの練習やクロスカントリーの外乗コースへ連れ出したりします。
若い女の子が馬を連れて移動している姿を見ると思わず「かっこいい!」と応援したくなります。

ピンクのラグを着た馬を曳く若い女の子

馬を連れて移動する際に足らない物をちょっと買い足しに寄るコンビニのような存在なので幹線道路沿いに建っているお店が多いかもしれませんね。

 

3.馬具屋はやっぱり馬具屋だった

乗馬用品より馬具の比率が大きい

アメリカ乗馬用品店の裏彫掘り売り場

日本の馬具屋さんはファッションブランド?と見間違うように華やかな最新トレンドの乗馬服が並ぶおしゃれなお店がほとんどのようですが、ニュージーランドの馬具屋は人用の乗馬用品より馬用の服やお手入れ用品、調教用などの馬具が大半を占めます。
大きな馬具屋でも乗馬用品は小さなスペースにまとめられ、売り場の大半は馬着、頭絡、鞍などの馬具と鞍や馬着の修繕受付や餌コーナーで占められています。

サジタリアスの商品カテゴリーでも人が使う乗馬用品は約20種類ほどですが、馬に使う商品の種類は100種類を超えます。
ニュージーランドの馬具屋さんは一般の乗馬用だけではなくクロスカントリー、エンデュランス競技競走馬競技・レジャー用馬車などに使う商品も取り扱っているので、ハミの種類だけでもその用途やサイズ別に百種類以上にもなります。

 

4.馬具屋へ入る前に注意!

土足厳禁?

ニュージーランドの馬具屋は街中ではなく郊外にあるので、車だけではなく馬に乗って訪れる人もいるくらいです。
雨が多いオークランドの冬などはどこもかも泥濘状態、ガンブーツとこちらでは呼ばれるゴム長靴が必須です。
泥遊びを堪能してくれた馬をパドックから出してちょっと馬具屋にお買い物。
馬は鞍をつける前に泥を落とし綺麗にしてもライダーの足元のお手入れまで気がまわらず泥だらけのまま、そんな靴で入られるとお店も困ってしまうので馬具屋の玄関先にはNo Muddy Bootsなんていう泥長靴禁止のサインが出ています(このサインは地方のパブやレストランでも見かけます)
汚れた足元の人は馬具屋の店先に置いてあるブーツジャックを使って靴を脱ぎ、靴下で入店。
指先に穴が開いた靴下や左右違う色の靴下を履いている人がうろうろしているのを見るとクスッと笑ってしまう、のどかなニュージーランドの馬具屋さんです。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

日本とニュージーランドの馬具屋の違い楽しんでいただければ嬉しいです。

Director YOKO

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